不整脈
ブログ2026.02.13
不整脈を持っているという方がいたとして、「どのような不整脈ですか」と尋ねると、これまでできちんと種類まで答えてくれた方は一人しかいない。
そもそも「不整脈」という言葉は総称であり、具体的な病名ではないことが多い。もちろん正式な診断名がある場合もあるが、多くはそこまで意識されていない印象である。
その方の不整脈は、いわゆる王道ともいえる心房細動であった。
心房細動(AF:Atrial Fibrillation)にも発作性・持続性などの分類があるが、そこまで説明を求めるのは現実的ではない。
私は心電図が好きである。
趣味の範囲ではあるが、一般の方よりは多少知識があると思っている。
それが趣味にとどまらず、父の病気の発見に役立ったことがある。
父はペースメーカーを装着する前、ときどき意識を失うことがあった。
病院で通常の心電図検査を受けても原因は特定できず、2週間装着するホルター心電図でも異常は検出されなかった。
平常時の心電図では右脚ブロックと左脚前枝ブロック(刺激伝導の一部が遅れる所見)は読み取れたが、意識消失の直接的な原因は不明のままであった。
ある日、父が息苦しさを訴えた際、Apple Watchで心電図を計測したところ、2対1房室ブロック(2:1 AVB:心房の信号のうち半分しか心室に伝わらない状態)を疑う波形が記録された。
そのデータを病院へ持参し、結果としてペースメーカー植込みへと進むことになった。
また別の話であるが、知人が倒れて救急搬送され、「心筋梗塞です」と告げられた際、私は「梗塞部位はどこですか」と尋ねたことがある。
「心臓です」と返されたが、私が知りたかったのは部位である。
前壁か下壁か、ST上昇型(STEMI)なのか、どの誘導でSTが上がっているのか。トロポニン値はいくつか。なぜなら、梗塞部位によって予後は大きく異なるからである。
どうしても細かい部分まで知りたくなってしまう。
ただ、心電図の勉強は主に書籍を通じたものであり、臨床経験を積める立場ではない。そこは限界であり、仕方のないことである。
人の生死に関わる分野を「趣味」と表現することにはためらいもある。
それでも、結果として人の助けになったことがあるという、それだけの話である。
