婚活や出会い系の偽装

ブログ2026.02.16

巷のニュースで、婚活における独身偽装の事件が報じられている。

この種の問題は昔からあったのだろうと思う。ただ、裁判となり、賠償命令が出て、さらに報道までされる事案は一部にすぎないのではないかとも感じる。

裁判所が問題としているのは、いわゆる「貞操権の侵害」である。
既婚者であることを隠して交際し、肉体関係を持った場合、相手の性的自己決定権を侵害したとして、不法行為(民法709条)に該当すると判断されることがある。

つまり、「既婚者と知っていれば交際しなかったし、身体の関係も持たなかった」という点が法的評価の基礎になるということである。

それであれば、独身証明を必須とする結婚相談所を利用すればよいのではないか、と単純に思ってしまう。
無料サービスであるがゆえの弊害なのか、それとも独身証明そのものを偽装していたのか。

仮に公的な証明書を偽造していれば、有印私文書偽造罪(刑法159条)や公文書偽造罪(刑法155条)といった刑事責任の問題にもなり得るため、民事上の賠償にとどまらない可能性もある。

事件の背景はどのようなものだったのか、気になるところである。

そもそも、男女の関係には、ある意味で互いに自分を良く見せようとする側面があると私は思っている。
この意見に他者からの同意を求めないが私はそう思っている。

化粧によって印象を整えること、好意があるかのように振る舞うこと、将来を匂わせて物を買ってもらうこと。
それらは程度の差こそあれ、相手の期待に働きかける行為とも言える。

では、例えば「化粧をしているときは魅力的に見えたが、素顔を見ていれば身体の関係は持たなかった」と男性が主張した場合、どうなるのだろうか。

おそらく、それだけでは直ちに違法とは評価されないであろう。

人は多かれ少なかれ、本性や弱さ、都合の悪い部分を隠して生きている。
それが直ちに犯罪や不法行為責任を生むかどうかは、また別の問題であると私は思っている。

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